家の出口

空き家を売る費用と手取り:3,000万円の特例を使えるかから計算する

売る費用の一覧

費用 払う時期 買取で売る場合
仲介手数料 売れたとき かからない
相続登記の費用 売る前 かかる
片付け・家財の処分 売る前 家財ごと買取なら不要のことがある
解体費 売る前 そのままの買取なら不要
測量費 売る前 会社による
契約書の印紙税 契約のとき かかる
譲渡所得の税金 売った翌年 かかる

仲介手数料は、不動産会社に買い手を探してもらって売れたときに払います。買取業者に直接売るなら、相手が買主なので仲介手数料はかかりません。そのかわり、買取の価格は仲介で売るときより低くなるのが普通です。費用の差と価格の差を、同じ物件で比べて決めます。

相続登記は、売る前に必ず済ませます。名義が亡くなった親のままでは売れません。登記は相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務もあります。

税金は「もうけ」にかかる

税金がかかるのは、売った金額そのものではありません。売った金額から、取得費と売る費用を引いた「もうけ」(譲渡所得)にかかります。

手取りの出し方
売る金額
A
売る費用
B(仲介手数料・解体・片付けなど)
取得費
C(親が買ったときの金額。建物は古くなった分を引く)
譲渡所得
A − B − C
特例の控除
使えるとき最大3,000万円
税金
(譲渡所得 − 控除)× 20.315%
手取りA − B − 税金

※ 税率は、売った年の1月1日に、持っていた期間が5年を超えている場合のものです。

※ 相続した家は、亡くなった人が買った日と買った金額を引き継ぐ。売る年の1月1日に、親が買ってから5年を超えていれば、相続してすぐ売っても長く持っていた扱いです。

取得費が分からないと、税金を計算できません。古い家ほど、買ったときの契約書が見つからないことがよくあります。その場合に取得費とできるのが売った金額の5%です。ただし、実際の取得費がそれより多いなら、書類を探したほうが税金は安くなります。売買契約書・通帳・ローンの書類を、先に実家で探します。

3,000万円の特例を使える条件

特例の主な条件(すべて満たす)
  1. 1家昭和56年5月31日以前に建てられ、区分所有建物登記がされている建物でないこと
  2. 2住んでいた人相続の直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  3. 3相続のあと相続から売るまで、事業・貸付け・住まいに使っていないこと
  4. 4売る期限相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
  5. 5売る金額1億円以下

これに加えて、家は「耐震リフォームをしてから売る」か「取り壊してから売る」必要があります。買主が売った年の翌年2月15日までに取り壊すか耐震リフォームをする場合も対象です。どちらが得かは解体してから売るか、そのまま売るかで比べています。特例の対象になる売却は令和9年12月31日までです。

手取りを計算する

条件に1つずつ答えてから、金額を入れます。「分からない」と答えた項目があるあいだは、特例を使った税金は出しません。

手取りの計算

1. 3,000万円の特例を使えるかを先に確かめる

  1. 相続の直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  2. 家が昭和56年5月31日以前に建てられている
  3. 区分所有建物登記がされている建物でないこと
  4. 相続から売るまで、事業・貸付け・住まいに使っていないこと
  5. 売るのが相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
  6. 売る金額が1億円以下
  7. 売る前に耐震リフォームか取り壊しをする。または、買主が売った年の翌年2月15日までに取り壊すか耐震リフォームをする
  8. 家と土地を相続した人の数

すべての項目に答えると判定が出ます。

2. 金額を入れる(万円)

親が買ってから、売る年の1月1日までに5年を超えている(相続の前の期間も数える)

特例を使うには、売った翌年に確定申告をします。申告には、家のある市区町村が出す被相続人居住用家屋等確認書などを付けます。この書類は申請してから届くまで日数がかかるので、売ると決めたら早めに市区町村に問い合わせます。

出典