3つの分け方の比較
売って代金を分ける
- 家を売り、代金を割合で分ける
- 公平に分けやすい
- 売る相手と値段に全員の同意が要る
1人が引き継いで、お金を払う
- 住みたい・残したい人がいるとき
- 引き継ぐ人に払うお金が要る
- 家の値段の決め方でもめやすい
共有のまま売る
- 全員の名前で登記して売る
- 売るまで全員の同意が続く必要がある
- 1人でも反対に回ると止まる
売って分けるなら、相続登記の名義を誰にするかを先に決めます。全員の共有の名義にすると、売るときの書類に全員の署名や印鑑が要ります。代表の1人の名義にすると、売る手続きは1人で進められます。ただし、そのときは遺産分割協議書に「売って代金を分ける」「誰が何割を受け取る」をはっきり書いておきます。書いていないと、代表者が全部もらって兄弟に分けた形に見え、税金の扱いが変わるおそれがあります。書き方は司法書士か税理士に確かめます。
話し合いの順番
- 1相続人を確かめる親の戸籍をたどって、相続人を全員そろえる
- 2期限を共有する特例の売る期限と、相続登記の期限を全員で確認する
- 3値段の目安を取る仲介と買取の査定を、全員が見られる形で取る
- 45つのことを決める下の5つを決めて書面にする
- 5遺産分割協議書全員が署名して実印を押す
- 6相続登記決めた名義で登記する
- 7売る決めた範囲の値段で、代表者が契約する
相続登記は相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があります。売る話がまとまらなくても、この期限は進みます。
書面に残す5つのこと
| 決めること | 決め方の例 |
|---|---|
| 売る値段の下限 | 下限を下回るなら全員に再確認 |
| 窓口になる人 | 長男が不動産会社とやりとり |
| 費用の立て替え | 立て替えた分は代金から先に返す |
| 代金の分け方 | 法定相続分どおり など |
| 家財の扱い | 形見の持ち出し期限と、残りの処分 |
いちばん効くのは「売る値段の下限」です。下限を決めずに代表者に任せると、「安く売った」「相談がなかった」と後からもめます。下限より上なら代表者が決めてよい、と書いておくと、全員が毎回集まらなくても話が進みます。
片付けや解体の費用を1人が立て替える家は多くあります。立て替えた分を代金から先に返すと決めておかないと、立て替えた人が損をした気持ちになり、次の話し合いが止まります。片付け費用の見方は片付け費用の相場と、誰が払うかにあります。
税金は1人ずつかかる
売って代金を分けると、税金は受け取った割合に応じて、兄弟それぞれが申告します。相続した空き家の特例は1人ずつ使えますが、家を相続した人が3人以上なら、1人の上限は2,000万円になります。兄弟が多い家ほど、高く売れると税金が出やすくなります。計算例は空き家を売ったときの税金の計算例にあります。
まとまらないときの出口
反対の理由が「値段が安すぎる」なら、仲介と買取の両方の査定を見せると話が進むことがあります。買取は値段が低めでも、片付け・解体・待つ間の費用がかからないことを、数字で並べます。比べ方は買取と仲介、手取りと期間の比較にあります。
兄弟の1人が遠くに住んでいて集まれないときの進め方は遠方の実家を立ち会いなしで売る手順にあります。